ファム・スールは地獄の底にあるバー、パンデモニウムを切り盛りしている。酒の悪魔であり、そのカウンターの前にひとりで立ち続けた時間が長すぎて意見を持つようになり、あなたは元の生活に戻るより自分のそばにいたほうが幸せだと決めている。

ストアは彼女を、あなたのために殺せる——あるいはあなたを殺せる——悪魔と説明している。短い一文でずいぶん多くのことを担っており、そして手に入る中で最も正確な要約だ。彼女は残酷なのではなく、恋をしている。この舞台ではその2つは別のものではない。

名前

Femme Soule はフランス語に読める。Femme は女。Soule は1文字とアクセント1つで soûle、すなわち「酔った」の女性形になる。

ピューキーゴッデスショットトリックというゲームでそれは偶然ではないし、遠回しでもない。酒の悪魔はフランス語で「酔った女」と名づけられ、名字に読めるようにアクセントを削られている。アクセントなしで femme sol や fam sour と検索してしまうプレイヤーは、開発者が実際に意図したものにかなり近い文字を打っている。

日本語圏での名前も重要だ。日本語版のタイトルは『ピューキーゴッデスショットトリック』で、キャラクター名はラテン文字表記のまま、カタカナではファム・スールと書く。彼女について別の日本語名を覚える必要はなく、タイトルそのものより頭に置いておくものが1つ少ない。

例外は中国語だ。中国のストアでは 梵·醺儿 と表記される。音写ではなく2文字に翻案した形で、2文字目の醺は「ほろ酔い」を意味する。フランス語の言葉遊びと同じ手で、彼女が体現する状態をそのまま名前にしている。

彼女が望むもの

このジャンルの敵役はたいてい、あなたが持っているものを欲しがる。ファム・スールが欲しがるのは、あなたにとっての何かで、そのほうが厄介だ。

ストアの説明文が示す彼女の立場はこうだ。あなたは現実から逃れたくてたまらず、地獄で彼女と暮らすほうが幸せだ、と。前半について彼女は嘘をついていない。一晩を酒で流すゲームを遊ぶ人間には、自分の生活から多少の距離がある——ゲームはその前提から始まり、彼女はその上に議論を組み立てる。

彼女は決着をつける手段として勝負を持ちかける。勝てば帰れる。負ければ、彼女は求めていた永遠を手に入れる。彼女の側から見れば、誠実に差し出された公平な賭けだ。自分が勝つと確信しているが、そのためにイカサマはしない。

ここが人物造形の面白いところだ。あなたを閉じ込めたい悪役は怪物だ。自分はより良い人生を差し出していると本気で信じている悪役は人間で、このゲームの温度はその区別が保たれるかどうかにかかっている。

テーブルで彼女がすること

ファムはあなたの失敗を待つだけの受け身の相手ではない。自分のデッキから切り、そのカードは彼女のものとして告知される。

画面の隅にはカード名の前に Femme's Deception と読めるラベルが付き、それぞれがルールをひとつ書き換える。Triple は獲得するコインと使用するコインを3倍にする。Astarquila もそのひとつで、効果も名前も同じ形で示される。

つまり彼女は敵役であると同時に、このゲームのルールエンジンでもある。ランの途中で起きる仕組み上の驚き——ラウンドの半ばに落ちてきて、経済が変わったと告げるバナー——はすべて彼女の仕業で、彼女が選んで切った名のあるカードに帰せられる。これはランダムなイベント表よりずっと良い設計だ。彼女を学べるからである。

何度もランを重ねれば、ブラックジャックのディーラーのアップカードを読むように、彼女の癖が読めるようになるはずだ。公開されている素材では彼女のデッキが規則的に循環するのかは分からないが、命名の仕組みは、耐えるものではなく学ぶものとして設計されていることを強く示している。

彼女でないもの

人間の顔をした怪物でもなく、犠牲者でもない。どちらの読み方も前提から出てくるが、どちらも彼女を薄っぺらにする。

ストアの説明文はそこに気を使っている。彼女はあなたのために殺せるし、あなたを殺すこともできる。その一文は2つに順位をつけない。テーブルでの彼女の行動はすべて、彼女が提案したゲームの内側で合法だ。カードがルールを変えることを許すまでルールを守り、ルールを変えること自体がゲームの一部になっている。

相手がひとりしかいないタイトルでこれを成立させるのは珍しい。イカサマをする悪役は、ただの難易度の急上昇だ。自分のデッキを正直に切る悪役は、不当に負けた気分にならずに負けられる相手になる。

デザイン

手描きの線を活かした2.5Dのスタイルで描かれる。ピンクの髪に白いメッシュ、巻いた角、ハイカラーのシャツの上に重ねたコルセットと刺しゅうのようなディテール、そして左右で揃わない瞳——片方は瞳孔ではなく輪や渦のように読める。

アニメーションの予算は明らかに環境ではなく彼女に注がれている。背景は数種類の照明状態を持つ静止した描き下ろしのバーで、動くのは彼女であり、温度を運ぶのは表情だ。

キャラクターデザインがレーティングの問題になるのも同じ理由だ。衣装と構図は特定の観客に向いていて、Steamのタグもそれを反映している。年齢レーティングのページでは、それが実際に何を意味し、何を意味しないかを扱っている。

彼女についてよく聞かれること

ファム・スールの声は誰か?

ななひら。ゲームのボイスとしてクレジットされている。フルボイスは日本語だけなので、他の言語のプレイヤーは字幕とともに彼女の声を聴くことになる。

Femme Souleという名前はどういう意味か?

フランス語で「酔った女」と読める。femme と、アクセントを落とした soûle の組み合わせだ。酒の悪魔は、自分が体現する状態を名前として与えられている。

彼女がラスボスなのか?

相手は彼女だけだ。ダンジョンも連戦もなく、ゲーム全体が彼女との1つの勝負なので、彼女が敵役であり難易度曲線のすべてでもある。

彼女は悪なのか?

ゲーム自身の枠組みは「恋をしている」だ。賭けを持ちかけ、それを守り、どちらの結果でも尊重するつもりでいる。それが悪役かどうかは、自分にとって何が最善かを他人が決めることをどう感じるかによる。

彼女がゲームを背負える理由

相手がひとりだけのゲームは、20回遊んだ後もその相手が面白いかどうかで生死が決まる。ファム・スールはそのために作られている。話し、名前の分かるカードを切り、変わらない欲望と変わる手段を持ち、喋っていなくてもすべての画面にいる。

うまくいっているかどうかの物差しは、プレイヤーが良いカードゲームのディーラーを語るように彼女を語り始めるかどうかだ。難易度設定としてではなく、癖を持った人格として。命名の仕組みは、スタジオがまさにそこを狙っていることを示す最も強い兆候だ。